絹本著色柳沢吉保像
甲斐国主柳沢吉保の肖像。『楽只堂年録』元禄16年(1702年)条に拠れば元禄15年に三幅の吉保肖像が描かれ、吉保自身が着賛したという。寸法は縦140.8センチメートル、横92.8センチメートル。狩野常信による筆で、吉保の子吉里により一蓮寺に奉納されたという。
黒袍の束帯姿で高麗縁の上畳に座し、右手に笏を持ち、左腰に太刀を佩く。前には黒漆若松文の文机があり、上には青表紙に金泥で梅と小禽が描かれた『古今和歌集』が置かれている。吉保による賛文は霊元天皇により秀作と評された和歌二首を記している。